錦市場を知ったのは、
40年前の京都に移り住んで直ぐの事。
寺町角の輸入食品屋では安いワインが販売されていて
ドイツ産白ワインを求めて頻繁に通った事が・・・
錦市場の店舗も大きく様変わりしてしまい、
その輸入食品屋はもうないが、老舗の多くは健在だ。
本日夕方時分、
何か美味しいモノはないかと錦市場を物色。
お目当ては漬物。美味しい新作が出てないかと?
結局収穫は無かったが、店舗のシャッターを見て驚いた。
何と伊藤若冲の作品が描かれているではないか?
錦の井上と云えば、確か琵琶湖の川魚専門店?
昨年の伊藤若冲生誕300年記念として、
10月の一か月間限定で「ナイトミュージアム」として、
午後7~10時にライトアップされていたらしい。
今はライトアップはないが、
何か得をしたような気になり撮影モード突入(笑)
またこれは、巨大な精密画。
それまでの日本画では見られない構図と動物たち、
極め付きは9mm四方の升目描き技法。
これをシャッターの上に描くのに、
ペンキ屋さんも相当苦労したのでは(笑)
私共には全く関係ないが、
まだまだ続く真贋論争中の、
プライスコレクション「鳥獣花木図屏風」もこの様に!
大國屋は相当昔から、
川魚やうなぎを取り扱う専門店。
京都市美術館で観たものより、
迫力がある?
微妙な色目にも挑戦されて!
鹿苑寺大書院の「松鶴図」も
乾海苔と椎茸の文字に妙にバランス良く収まって・・・
こちらの「葡萄図」は、
ずーと前から描かれていたかの様・・・
若冲は鶏を題材にした作品を多く残していが、
津乃弥の取り扱いを調べてみると、一夜干かれい、ぐじ、
若狭物を中心とした海産珍味でした(笑)。
こちらの商いは、おそらく青果商?
奇才絵師・伊藤若冲はご存知のように、
錦市場の青物問屋「枡屋」の長男として生まれ、
40歳で弟に家督を譲って隠居、
以後四半世紀の間創作活動に没頭する。
まさか若冲も、
自身の作品がシャッターに描かれるとは、
夢にも思わなかったはず。
31歳の若さで亡くなった、
ストリートアートの先駆者キース・ヘリングも
さぞかし驚いている事だろう。
それ以上にご本人は、
自分の絵が理解されるのは千年の時を待たねば?
と云ったと聞く。いずれにしろ没して200年程度で
日本中に名前が知れ渡り、誕生地・錦市場のシャッターで
まさしく錦を飾るとは、ゆめゆめ思わなかったであろう。