2016.11.8

知れば知るほど飽きない街。面白いものがそこかしこに──林素子さん #三軒茶屋

外国人も好むディープな路地裏

 林さんの一番のお気に入りの場所は、世田谷通りと国道246号に挟まれた通称「三角地帯」。居酒屋、バー、スナック、焼肉屋などが軒を連ね、入り組んだ迷路のような飲み屋街を形づくっているエリアだ。戦後の闇市バラック群の名残を留める「ゆうらく通り」、「三茶3番街」の先には、地上27階建ての複合商業ビル「キャロットタワー」も。新旧の建物が共存する景色はどこか非日常的で、時間の境界線が曖昧になったような、ちょっと不思議な感覚にさせられる空間だ。

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ゆうらく通りの入り組んだ路地が好奇心を刺激する

「面白い景色ですよね。三角地帯のお店には、又貸しの又貸しで、誰が所有者かわからない店もある、と聞いたことがあります。そんなこともあり、若い人が店主をやっているお店は多いですよ。海外の友だちが日本に遊びに来たときにここへ連れていくと、みんな喜んでくれますね。近代的な建物が周りにある中で、こういう三角地帯みたいな場所を見ると、『面白い!』って思うようです。外国人受けは抜群ですね」

 映画のセットを思わせる猥雑な路地裏、「ゆうらく通り」を抜けた先にあるタイ料理店サイアム・タラートは、林さんの行きつけの一軒。平日のランチでも行列をなすほどの人気店だ。

「だいたいいつも混んでいます。安くてとてもおいしいんです。もともとリピーター客だったんですが、偶然にも、ここの店主が夫の友人だということがわかり、ますます縁を感じています。ランチに行くと、店主から『飲むでしょ?』ってビールを勧められて、つい飲んでしまったり(笑)。気さくに楽しめるお店ですね」

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本格タイ料理を気軽に楽しめるサイアム・タラートの外観

話してくれた人

林素子 はやしもとこ

美容師を経てスタイリストに転身。アシスタント時代は、渡辺康裕氏に師事した。独立後、フリーランスのスタイリストとして、ELLE ONLINEをはじめ、雑誌、カタログ、広告、ミュージシャンなどのスタイリングで幅広く活動している。

話を聞いてくれた人

佐々木裕子 ささきゆうこ

フリーランスエディター&ライター。主にビジュアル書籍や企業広報誌などを手がける。屋号「アトリエコチ」での編著に『団地リノベ暮らし』、また共著に『スチームパンク東方研究所』シリーズ、『食品サンプルのつくりかた』などがある。