2016.11.22

豊かな自然と文化を尊ぶ、懐の深い街。海は発想の源にも──ミネシンゴさん #逗子・鎌倉

「じっと自分と対峙して、ものを書いたり、制作したりするときには、やっぱり静かなところがいいとぼくは思うんです。ときどき、机の上で煮つまったりすると、海に行きます。開放的なビーチで気分を変えると、本当にアイデアが出てきたりするんですよ」

 おだやかな逗子の浜辺でそう話してくれたのは、美容文藝誌『髪とアタシ』の編集長兼発行人を務めるミネシンゴさん。美容師、美容雑誌編集者を経て、2015年にデザイナーの奥様とふたりで出版社を立ち上げ、これまでになかった新しい切り口の美容雑誌をつくり続けている。コンセプトは「ファッションやトレンドばかりを追うのではなく、それぞれの人生や髪にまつわる面白い話が読める美容文藝誌」。拠点は神奈川県逗子市にある自宅兼用オフィスだ。

「好きな街に住み、そこで仕事をするのがぼくにとってはベストでした。そう考えたとき、選択肢はこのあたりしかなかったんです」

 かつて文人たちが愛した海のある街として知られる逗子は、現在も創作者たちの意欲をかきたてる場所のようだ。実際にそのようなコミュニティーもあり、ミネさんも刺激を受けることがあるという。

逗子海岸映画祭の発起人の方がいるCINEMA AMIGO(シネマ・アミーゴ)は、面白いところですね。ぼくもオーナーの方と仲良くさせてもらっています。逗子は葉山ほどではないかもしれないけど、自由な空気が流れているので、自分を表現しやすいんだと思う」

img_1379

photos: Yoichi Igawa

 執筆や編集はこの街で集中してすることが多いそうだが、取材や打ち合わせはどうしても都内が多くなるという。実はその点でも、それほど不便と感じていないようだ。

「意外に思われるかもしれませんが、東京へのアクセスは悪くないんです。JR逗子駅からの上りは、ここが始発なのでほぼ確実に座れます。湘南新宿線に乗れば、渋谷や新宿も一本で1時間くらい。それから、京急の新逗子駅もある。だから都内まで通勤している人もけっこういますよ。ぼく自身、東京の会社に勤めていたころはそうしていました。ぼくはいまでも電車が多いけど、クルマでも横横(横浜横須賀道路)に乗れば、都内も横浜もそんなに遠いとは感じないかな」

話してくれた人

ミネシンゴ

出版社アタシ社代表。東京、神奈川で美容師4年、美容専門雑誌『月刊Ocappa』編集部に2年在籍したのち、2011年10月にリクルートに入社。同社在籍中に美容文藝誌 髪とアタシを創刊した。フリーペーパーKAMAKURAの副代表を務め、『湘南「小商い」作戦会議』、『近い将来、鎌倉・逗子に住みたい働きたい学』でモデレーターを担当する。OZ magazineで鎌倉ネタの連載、渋谷のラジオ『渋谷の美容師』のパーソナリティーも。

話を聞いてくれた人

井川洋一 いがわよういち

主にスポーツを描く文筆家。NumberSportivaなどに寄稿するかたわら、「ノーリミット、ボーダーレス」を信条にフィールドは選ばない。香港時代のサッカーチームの仲間に誘われて、本サイトの編集に参加し、ときどき執筆と撮影も。

このエントリーをはてなブックマークに追加