2016.12.23

アクセスの良さと人情と。独立するならここしかなかった──上澤知広さん #蒲田

 こうした話を聞くと、急速な発展を遂げているとはいえ、まだまだ昔ながらの人情味にあふれる街の様子がうかがえる。一方で、ここが地元の上澤さんから見ると、蒲田にはふたつの顔があるそうだ。

「昼と夜のイメージが全然違います。土日の日中はわりとお子さん連れのファミリーがたくさん歩いているんですけど、夜はもう、飲み屋街といった雰囲気が漂います。それから、地元の人間からすると、東口と西口でもちょっと違う。昔から、東口に住んでいる人は東口で、西口に住んでいる人は西口で用事を済ませるケースが多いんです。一応、地下道で行き来できるようにはなっているんですけど、それが意外とめんどくさくて(笑)。もちろんそれだけではなく、行き来しない一番の理由は、東と西のそれぞれに商店街があって、買い物に不自由しないというのが大きいと思います。ちなみに僕はもともと東側の人間なので、サロンを開くときも東口と決めていましたし、仲間と飲むときもたいてい東口で、ということが多いですね」

アクティブな休日もおまかせ

 現在、上澤さんは奥様とふたりのお子さんとともに、今年購入したマンションに住んでいる。休日はどんなふうに過ごしているのだろうか。

「隣駅のラゾーナ川崎プラザにはよく行きますね。それから、木更津のアウトレットにもたまに行きます。アクアラインを使って片道30分くらいで行けるんですよ。車なら湘南にも千葉方面にもアクセスがいいので、行動範囲が広がりますね。そのせいか、蒲田には僕みたいにサーフィンが趣味という人や、千葉にゴルフをしに行く人とか、意外とアクティブな人が多い気がします。ほかには、天気がいい日には犬を連れて多摩川の土手に行くことも。車や自転車でパッと行けるので、夏場はとくに花火大会やバーベキューをしに行く地元の人もたくさんいるんじゃないでしょうか。便利なわりに自然が多いという環境も、ファミリーには魅力だと思います」

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多摩川河川敷は地元住民の憩いの場

 ファミリーも単身者も満足できる環境がそろっているとなれば、当然のことながら物件の人気は上がっているはず。上澤さんも住まいを探す際、不動産屋からこんな話を聞いたそうだ。

「不動産屋さん曰く、とにかく中古物件が出ないエリアなんだそうです。仮に出たとしても、すぐに埋まってしまう、と。なかには『空いたら買うから』とだけ伝えて、内見せずに買う人もいるみたいで、これから新しく部屋探しをしようと思っても滅多に出てこないと言っていました。もちろん、新築マンションも何年か前から建設ラッシュを迎えていますけど、やっぱりちょっと値が張るんですよね……。だから、このへんで探している人は蒲田駅周辺だけでなく、近隣の梅屋敷や糀谷なんかも視野に入れているという話はよく耳にします。この界隈は自転車でもけっこう回れるので、数駅離れたとしても不便はないと思いますね」

 そして一度ここに引っ越して住み始めたら、よそには移れなくなってしまう人も多いとか。

「もうひとつ、蒲田で物件を探す人の特徴として、蒲田の人は蒲田のなかで引っ越すことが多いとも聞きました。実際、僕の周りでは自分も含めて、住まいも職場も蒲田もしくは大田区という人ばかりなんですよ。地元愛着精神みたいなものがかなり高いというか。みんな外に出ていかずに、このへんでぐるぐるしているんです(笑)。でも、そうしているうちに自然と顔なじみが増えていきますし、だからこそ余計に離れづらくなるのかもしれませんね」

話してくれた人

上澤知広 うえさわちひろ

1982年生まれ。10年勤めた横浜の美容室では副店長を経験。その後、2012年に30歳になったことを機に独立し、出身地・蒲田に『シエスタ』をオープンした。現在は妻とふたりの子ども、愛犬とともに蒲田で暮らしている。

話を聞いてくれた人

片貝久美子 かたがいくみこ

編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライター&エディターとして独立。現在はミュージシャンや俳優、タレントなどエンタメ系のインタビューを中心に、雑誌、書籍、ウェブサイトでのライティングを手がけている。

Room Album

蒲田のルームアルバム

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