2017.3.1

INTERVIEW

魅力的な食と人。天職と思える仕事をここで続けていきたい──松本勇佑さん #三軒茶屋エリア

メイン写真:①この街の好きなところは? ②今、一番興味があることは? ③次に住みたい街は?

 地下鉄田園都市線の三軒茶屋駅から地上に出ると、街を横切る国道246号線と首都高速の高架橋が目に飛び込んでくる。渋谷の2駅隣で、京王線や小田急線の駅につながる東急世田谷線の始発・終点駅があるというアクセス良好な立地でありながら、駅の周りにはこぢんまりとした飲み屋が集まる商店街がいくつもあり、雑多でどこか下町のような雰囲気。ちょっと歩いただけでも何となく親しみが湧いてくる。それがここ三軒茶屋という街だ。

Photos : Kei Aotani

 松本勇佑さんが昨年から店長をつとめるのは、駅から歩いて4分ほどの栄通り商店街にあるバーがじゅまるの木。沖縄出身の松本さんが作る、ゴーヤチャンプルやソーキそばなどの郷土料理と創作料理が人気だ。おいしい料理と泡盛を楽しむ常連客で平日からにぎわう。沖縄から上京してもうすぐ3年半、三軒茶屋に引っ越してからは約2年になる。そんな松本さんも、もともとはこの店の客のひとりだった。

「家から近いのと、ここのオーナーが沖縄出身の先輩ということもあって、よく通っていました。東京には沖縄出身者のコミュニティというか、知り合いが知り合いを紹介したり、沖縄の人が集まる店があったりと出身者同士のつながりが深いんです。そういう縁もあってオーナーには客のころからかわいがってもらっていました。そして、飲食をやりたいという僕の夢を知ってこの店を任せてくれたんです」

 今では、料理から接客までをひとりでこなし、お客さんや地元の飲食店仲間とのつながりもできて、すっかり三軒茶屋になじんでいる松本さんだが、そもそも上京し、この場所に住むことになったのはどうしてなのだろう?

刺激を求めて上京。アクセス重視で三軒茶屋へ

「実はもう7年くらい前のことになるんですけど、19歳のときに一度、東京に出てきたことがあるんです。そのときはこっちで勤めていた会社が倒産してしまって……。いったん沖縄に帰ることにしたんです。そのころから接客の仕事が好きで、地元で飲食店やホテルなどサービス業の仕事をしていました。でもしばらくしてやっぱり東京に出たいなと。だって東京には沖縄では見られないものがたくさんあって、刺激も多いじゃないですか」

 再び上京した直後しばらくは渋谷区富ヶ谷の友人の家に居候させてもらっていた。その後、杉並区久我山に引っ越し1年半ほどひとり暮らしをしていたという。当時勤めていたのは、友達の紹介で入った都内で沖縄料理屋を展開する会社。正社員になるのと同じタイミングで恵比寿の店に移動になり、「より通勤に便利な街に住みたい」と引っ越し先に選んだのが三軒茶屋だった。

三角地帯の一角、小さな商店が連なる

「物件を探すうえでゆずれない条件というのはほとんどなかったんですが、ただひとつこだわったのが立地です。飲食店の仕事は帰りが遅く終電を逃すことも多いので、駅から近くて、タクシー帰りになってもできるだけお金がかからない場所というのが希望でした。ほかに明大前や渋谷も見たんですが、その中でダントツで『ここに住みたい!』と思ったのが三茶だったんです。さいわい良い物件も見つけることができて、大満足の引っ越しができました」

 松本さんの自宅は駅から徒歩7分ほどの1Kのマンション。三軒茶屋の街と駅の近さが気に入って決めた部屋だというが、オートロックや独立洗面台、浴室乾燥機など、住んでみると設備も充実していてかなり快適とのこと。だがそれ以上に気に入っているのは、この三軒茶屋という街そのものだという。

話してくれた人

松本勇佑 まつもとゆうすけ

沖縄県出身。上京後、沖縄料理店、出版社勤務を経て、沖縄料理が味わえるバーがじゅまるの木の店長に。お店はカウンター中心のアットホームな雰囲気で、接客から調理までをひとりでこなす。豊富にそろう泡盛と沖縄の伝統料理をベースにした創作料理が特徴。趣味は、勉強も兼ねた食べ歩き、サッカー、読書。美術館や博物館巡りも好き。

話を聞いてくれた人

石橋夏江 いしばしなつえ

編集プロダクションverb所属。女性誌で料理、インテリアなど生活周りの記事を担当するほか、旅行、恋愛、仕事といったテーマの記事を雑誌やウェブサイトで執筆する。街歩き好きなのに方向音痴なため、プライベートでも取材でも間違いなく迷子になるのが悩み。

Room Album

三軒茶屋のルームアルバム

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