2017.4.7

多様な価値観を受け止める旅人の街。ここの面白さを伝えたい──清水直哉さん #中野

 インドから入って、中東、ヨーロッパ、アフリカ、そこから南米に渡ってアメリカへ。さまざまな国を見て旅の魅力に憑かれ、帰国後、21歳で旅の面白さを発信する団体を立ち上げた。そんな経歴を持つTABIPPOの代表取締役、清水直哉さんは先日、20代後半にして初のひとり暮らしをスタートさせた。世界を見てきた彼が選んだ街は、「中野」だ。

「もともと旅好きの知り合いが多い街で、よく遊びにきていたんです。大学生のころから通っていました。旅好きの人がこのへんに集まるんですよ。このお店もそう。オーナーさんが世界一周した旅人なんです。旅人がやっているお店なので、必然的に旅好きのお客さんが集まってくるんですよね、僕もふくめて」

 インタビュー場所は、中野のレンガ坂にあるメキシコ&スペイン料理のバル Boqueria(ボケリア)。清水さんは7年前からここに通い続けているという。世界一周経験者のオーナー、CHAO(チャオ)さんが手がける店で、旅好きコミュニティの中では超有名店だ。

photos: Kei Aotani

「中野はホームタウン」

 清水さんが中野に引っ越してきたのは、201611月のこと。東京に住んで約10年経つのに、今回が初のひとり暮らしとなったのにはワケがある。

「ずっと、寮やシェアハウスに住んでいたんです。だから28歳にして人生初のひとり暮らしです」

 大学進学をきっかけに群馬から上京し、まずは大泉学園にある大学の男子寮に住んだ。その後、国分寺、三軒茶屋、恵比寿の3カ所でいずれも一軒家をシェアして仲間とともに暮らした。つい先日まで住んでいた恵比寿の在住歴がいちばん長く、5年ほどだったという。

「恵比寿の物件は、和風旅館のような広々とした一軒家。立地もいいし、人も呼びやすかったですね。賃料はさすがに光熱費込みで月額40万円以上しましたが、13人ぐらいでシェアしていたので、なんとか(笑)。じつは会社もそこで立ちあげたんです。会社の一部メンバーと一緒に住んでいたので、一軒家の2階で寝て起きて、1階で仕事をするみたいな。当時は、オンとオフの切り替えが難しかったですね。シェアハウスなので、だいたい出て行くタイミングはメンバーたちとそろえていました。僕自身、年齢的にもそろそろシェアハウスは卒業して、次のステップに行きたいなと思っていた時期だったんです」

人通りの多い中野駅周辺

 恵比寿にいるときから、ひとり暮らしをするなら顔なじみの多い中野で、と決めていた。

「僕にとって中野は、ホームタウンのような街。仕事で疲れて夜遅くに帰ってきたとき、誰か知り合いにちょっと飲みに行こうよとか、ご飯食べに行こうよとかLINEで連絡するんです。すると、誰かしら集まる(笑)。そういうのが当たり前にできる場所なんですよね、ここは。街選びでは“仲間がいる街”ということを重視しました」

話してくれた人

清水直哉 しみずなおや

東京学芸大学在学中に、世界一周の旅へ。旅で出会った同世代の仲間とTABIPPOを立ち上げ、創設時から代表を務める。卒業後はWEB広告代理店の株式会社オプトへ入社。新規事業の立ち上げ、最年少マネージャーの経験などを経て2013年11月に退職。2014年、TABIPPOを株式会社化。旅の野外フェス「旅祭」などのイベントや、旅に特化したwebメディアTABIPPO.NETの企画運営をしている。また、企業のマーケティング支援や旅人のキャリア支援のほか、旅のものづくりブランドも創設。訪れた街・国では必ずその地でビールを飲むほどの無類のビール好き。

TABIPPO:http://tabippo.net/

話を聞いてくれた人

佐々木裕子 ささきゆうこ

フリーランスエディター&ライター。主にビジュアル書籍や企業広報誌などを手がける。屋号「アトリエコチ」での編著に『団地リノベ暮らし』、また共著に『スチームパンク東方研究所』シリーズ、『食品サンプルのつくりかた』などがある。

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